髙松えみり「やなか こども基地」
https://gyazo.com/3f85de438156807faf0543208241a498
住宅×地域密着型学童
自然、歴史、文化、芸術で溢れる街谷中では、下町ブームに伴い商店街やアートギャラリーなど様々なプロジェクトにより観光地化が進められ、インバウンドや観光客でにぎわっている。
一方で、観光業や商業に関わりのない地域住民は街との関わりが減り、地域のつながりの希薄化が問題となっていると考えた。
そこで学童での“街歩き”を提案する。商店街や街で行われているプロジェクトを子供が歩き回って学び、基地で共有し、また歩いて広めることで観光地化に負けない強い地域社会のつながりを作れないかと思い地域密着型学童「谷中こども基地」を設計した。
https://gyazo.com/eb54d9eaec8c97f28eb9c0a2c1bf9cfb
https://gyazo.com/5c0701f4a21f53be65d4d18708c47916
▲敷地調査
計画地から徒歩圏内にアートギャラリーや公園、神社があり谷中ならではの文化、アート、自然、歴史を学ぶのに適した場所である。また、谷中小学校から徒歩5分で車通りも少なく子供たちが通るのに安全な場所である。
https://gyazo.com/0b61f8c3eb2528ccb396725e4bbce2b6
https://gyazo.com/d1a6df0e321f232741f2b547f4dba34e
https://gyazo.com/7cd51dc7b6473b6d0a26a563921a8ef1
▲平面計画では3つのスケールを使って設計した。
・住宅スケール
・こどもスケール
・谷中スケール
こどもスケールと谷中スケールによって住宅スケールが標準から変化し、拡大可能な住宅としての余白を残すことができる。
https://gyazo.com/7cc8cd0ae8edb29e6afdc02c5b340557
▲こどもスケール、谷中スケールによりつくられた空間が住宅に光と風と緑が届ける役割となる。
2F ロフトからは光と風が1Fに届き、路地からは空気のぬけがとれる。
1F 学童空間から住宅空間に光が入り子供の遊び場となるピクチャーウィンドウからは光と景色が入る。
https://gyazo.com/48529830938e8c468314efe01955c944
https://gyazo.com/b2b20e3311c049875bacfebcbe282332
https://gyazo.com/9a8d2537d7c0b5be83daa7de3738863b
▲断面計画では様々なレベルにこども空間を配置し谷中観察を促すようにしている。
https://gyazo.com/9d18c4520c94230bcc6b4ec44d5ced62
▲2Fの個室はこどもの成長とともに学童空間を縮小することで個室を増やせるように計画している。
講評:谷中をよくリサーチした上で、学童×住宅という新しいプログラムにトライした提案。こどものための空間が、ただの遊び場という設定で終わらず、街との距離感の調整や採光・通風に寄与するなど住空間も相乗的に豊かにしている。街の中のこどもたちの拠点という都市的な捉え方と住むことが楽しそうと思わせるところまでプレゼンをまとめていることが案の魅力をさらに高めている。(大平)
KENCHIKU SHUKAN EXHIBITION 2021